中学受験の知識ゼロからスタートした我が家。
前回紹介した、「中学受験基本のキ!」で、入試問題には、学校毎に特色があり、問題傾向を踏まえた志望校選定が必要という、今となっては至極当然のことに感銘を受け(←単純)、もう少し、このあたりを掘り下げたいと考え、この本を入手しました。
本書の一番のウリであり、私としても非常に勉強になったのは、「校風マトリクス」と「3種の過去問マトリクス」ですね。
なので、本日は、この2点のマトリクスを中心に、感じたことを書いていきたいと思います!
校風マトリクス
中高一貫校の校風を、縦軸に「革新・体験 ⇔ 保守・知識」、横軸に「自主性 ⇔ 管理」をとり、プロットしています。
①革新・体験×自主性 自主性を重んじつつ、 体験を積ませる 開成・日本女子大附属 | ②革新・体験×管理 ルール重視だが、 様々な体験を積ませる 早稲田・雙葉 |
③保守・知識×自主性 自主性を重んじ、 体験教育は少ない 麻布・女子学院 | ④保守・知識×管理 ルール重視で、 知識教育を面倒見良く行う 駒場東邦・桜蔭 |
それぞれのカテゴリーの代表校を男子校・女子校から1つ記載していますが、書籍の中では、様々な偏差値帯の中学がプロットされていますので、興味のある方は、読んでみてください。
第一印象では、個人的なイメージとそんなに相違ないのですが、そこにプロットした根拠は、一つひとつの中学ごとに記載されてはいないです(そこまで書いていたら、それだけで1冊になってしまうので、当然ですが)。
ですので、この分類を参考にして、各家庭の通わせたい校風に近い学校の説明会に参加し、志望校を絞り込んでいくのが現実的かなと思いました。
2023年受験の皆さんも、これまで学校見学は限られているので、6年生で効率的に学校を回り、最終決定していくことが必要なため、その際の助けになりそうです。
過去問マトリクス①:算数マトリクス
過去問マトリクス①は、算数の問題傾向を偏差値帯ごとにプロットしたものです。
縦軸に「偏差値」、横軸に「典型題(基本) ⇔ 思考題(応用)」をとっています。
①偏差値55以上×典型題 筑波大附属 | ②偏差値55以上×思考題 開成・ 桜蔭 |
③偏差値55未満×典型題 清陵・山脇学園 | ④偏差値55未満×思考題 成蹊・東京女学館 |
①④のカテゴリーの中学は少なく、多くの学校が、②③のカテゴリーに属しています。
(それはそうだとは思いますが)
また、女子校より男子校の方が、「問題レベルが上がるのは否めない」とのこと。
うちの👧は、右上のカテゴリー(②)の上位校は、回避しようと思います!(←そもそも志望してませんが笑)
過去問マトリクス②:国語マトリクス
過去問マトリクス②は、国語の問題傾向を偏差値帯ごとにプロットしたものです。
縦軸に「偏差値」、横軸に「記述少 ⇔ 記述多」をとっています。
①偏差値50以上×記述少(~300字) 慶應中等部 | ②偏差値50以上×記述多(301字~) 桜蔭 |
③偏差値50未満×記述少(~300字) 清陵・山脇学園 | ④偏差値50未満×記述多(301字~) 品川女子学院 |
①③に当てはまる中学が圧倒的に多いですね。
短期間で合否判定しないといけないので、必然的に記述は少なくなるのかな。
②④は少数派です。特に④の中学は、ほぼない。
入試の傾向に合わせるなら、①③の記述が少ない学校の準備をしたほうが、効率は良さそう。
逆に言うと、②④の記述が多い学校を目指すなら、それに特化した対策が必要ですね。
過去問マトリクス③:処理力マトリクス
過去問マトリクス②は、国語の問題傾向を偏差値帯ごとにプロットしたものです。
縦軸に「1問あたりの時間」、横軸に「 典型題(基本) ⇔ 思考題(応用) 」をとっています。
①1問あたりの時間3.5分以上×典型題 関東学院 | ②1問あたりの時間3.5分以上×思考題 雙葉 |
③1問あたりの時間3.5分未満×典型題 香蘭女学校 | ④1問あたりの時間3.5分未満×思考題 桜蔭 |
①②にプロットされている学校は、少ないね。
①は、関東学院のみ!(この分類意味あるのか笑)
②④の学校が多い。
ということは、じっくり考えさせるというより、素早く判断し、処理することを求めている中学が主流ということですね。
思考力重視校は、解答欄が非常に大きいらしく、この余白に慣れていないと、「何を書けばイイノカ・・・」となり、思いのままに書き散らかして失敗するリスクがあるらしいです。
やはり、事前の対策が大切ってことですね。
総論
以上、本書の中心となるマトリクスについて触れましたが、それ以外にも、過去問への取り組み方も詳しく述べられています。
個人的な感想としては、志望校を決めていく際の参考にするには、非常に役立つ!
あえて、同意できなかった点を述べると、「過去問との相性を強調しすぎでは?」ってところです。
大きな意味での相性(記述が多いか少ないか等)は理解できるのですが、偏差値が不足していても、相性が良ければ大丈夫というのは、誤解を与える恐れがあると思うのです。
(問題の傾向が変わったら、終わりやん)
それよりも、正攻法の実力をつけることを目指してほしいと考えています。
言い方悪いですが、小手先で合格して欲しくはないかな。
話は逸れましたが、内容としては、かなり有意義な書籍と思いますので、皆さんも気になったら、読んでみて下さい!
本日もご清聴ありがとうございましたm(__)m
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